古文書 武家文書 大きさ 縦３７．７cm 横５２．５cm １６行墨書 包み紙はありません。
和紙（楮紙）全紙を横に半折した体裁の書状で、上下の文字が逆さまになっています。
書状の上端、下端に僅かに虫損が見られます。また１ｍｍ未満の微細な虫穴も２０箇所ほど見られますが、経年による、黄ばみや
汚れも殆どなく、大きなシミもありません。保存状態は良好な方と申せます。入手後は硫酸紙で包み、クリヤブックに入れ、防虫香の
きいた桐箪笥で大事に保管しておりましたので、良いコンディションを維持しております。
全文の釈文（注釈付き）を、お付けします。
摂津国・三田（現・兵庫県三田市）・・・「さんだ」です。「みた」ではありません・・・は織豊政権時代、水軍で名を馳せた九鬼嘉隆の裔が
封じらられた藩です。 ３代藩主・九鬼隆律は因幡国。鳥取藩主 池田光仲の息（三男とも四男とも）で、明暦３年（1657年）に生まれ、
寛文９年（1669年）に、2代藩主・九鬼隆昌の婿養子となり家督を相続しましたが、貞享3年（1686年）に30歳の若さで歿しています。
従って治世期間は17年と短く、しかも当初は隆仲と名乗っていましたので、「九鬼隆律」の発給文書は極めて少ないようです。
三田藩九鬼家は、所領３万６千石でありましたが、当初は無城（陣屋大名）でした。１０代隆国のとき、城主格に昇格しました。
なお、本書状の受取人「岡宗甫」は詳細不明です。ご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ご教示下さい。